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カート 0

洗米

獺祭の味を決める工程のひとつに、洗米がある。洗米の重要性を正しく理解するために、簡単に日本酒醸造のメカニズムをおさらいしたい。

日本酒の原料となる米には糖分が含まれず、デンプンが主成分だ。糖分がないとアルコール発酵ができないので、麴(すなわちカビ)の力でデンプンをブドウ糖に変換する。ここで生まれたブドウ糖と酵母は結びついて、アルコール発酵が可能となる。

デンプンをスムーズにブドウ糖に変換させるには、でんぷん質をα化、つまり柔らかくするといい。そこで米を蒸すことになる。ただし、ただ蒸せばいいわけではなく、蒸し上がった米の水分含有量が重要だ。

水分含有量が多すぎる米は、表面が水分で覆われ、そこに麴菌が付いてしまう。一方、水分含有量がコントロールされた米の表面は水分が少ないので、麴菌は米の中に入る。すると米の内部でしっかり麴菌が繁殖する、「突き破精」と呼ばれる麹が生まれる。突き破精は最後まで酵素力が途切れない、マラソンランナーのような麹だ。瞬間的に酵素力を発揮する短距離ランナー型の麹と違い、長期間にわたる醪(発酵)でもしっかりと仕事をするのだ。

では、このように重要な意味を持つ洗米を、どのように行うのか?

最大で80~90時間にも及ぶ精米の次が洗米の工程で、ここで水分を0.1%の単位でコントロールする。旭酒造が水分の量をここまで厳密にコントロールできるのは、手洗いで洗米をするからだ。最新の機会でも、どうしても0.3~0.4%程度のブレが生じてしまう。

どこの酒蔵でも、品評会に出すような酒を造る時には米を手洗いする。けれども全てを手洗いするという例は聞かない。なぜなら手間暇がかかるからだ。

獺祭の場合は1日約5トンの米を洗います。機械を使えば、1人の人間が1時間で終えることができる。けれども手洗いは、5、6人がかりでも朝から晩までかかってしまう。

これほどの人手と時間がかかるので、一般的に洗米の工程は機械洗いが常識になっている。良い酒を造るには手洗いのほうがいいのはわかっているけれど、横並びで楽をしている。旭酒造はこうした常識に、一隻を投じた。とはいえ、0.1%までコントロールできる機会があれば、是非使いたいと思っている。

手洗いすることが目的ではなく、水分含有量をコントロールすることが目的なのである。