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精米 「米を磨くという文化」

いまや獺祭の名は一部の日本酒マニアや食通だけでなく、世間一般に広まっている。振り返ってみれば、ふぁっ際の名を広めるきっかけとなった商品は「獺祭 磨き二割三分」だった。その名称は、23%にまで精米した米、すなわち歩留まりが二割三分の米で造ることに由来する。50%以上磨けば大吟醸酒と呼べるのに、あえて77%も削ったのだ。これは大吟醸酒として、日本でも最高峰の数字である。面白いのは、「獺祭 磨き二割三分」を造るきっかけが、話題作りであった点だ。

Rice polishing

「1990年代の後半でしたか、当時は日本一と言うのが流行っていました。それで獺祭も、精米歩合で日本一になったら話題になって売れるんじゃないかと思いました(笑)」

旭酒造の桜井博志は笑いながら杜氏をこう回想する。普通なら「味を極めるために米を研ぎ澄ましました」という美談にしそうなものだ。そう思う一方で、話題作りだったことを隠さない率直さが、獺祭の濁りのない味わいにどこかでつながっている。「個性的だったことは認めますが、味の質は大したことはありませんでした。」

そこから旭酒造は、「精米歩合日本一」から「味の日本一」へと目標をシフトした。ここで分かるのは、ただ米を磨くだけでうまい酒にはならないという事実だ。

「米を磨けば磨くほど、酒はふくよかな味になると思います。ただし、ただ磨くだけではうまい酒にはならない。米を磨くということは、良い酒を造る為の必要条件ではあるけれど、必要十分条件ではないのです」

たとえば旭酒造では、精米業者と研究、検証を重ね、精米時の摩擦熱で水分を失った米を独自の貯蔵袋で管理している。温度の高い状態で水分が戻ると、米にクラックが入るからだ。どんなに磨いた米でも、繊細に扱わないとうまい酒にはならない。

米で造る醸造酒といえば紹興酒がある。紹興酒の精米歩合は90数%。23%の「獺祭 磨き二割三分」に比べると"磨き"が少ない。つまり、米を磨くという行為が、日本酒を日本酒たらしめていると言える。現在、旭酒造が製造する獺祭の約5割が海外に輸出している。旭酒造は日本酒だけではなく、米を磨くという文化も輸出しているのだ。